手回しの蓄音機

80年代中頃に、「愛と哀しみの果て」という映画があって、
ラストに近いシーンで、
手回し蓄音器が音色を奏でる。
アイザック・ディネーセン著『アフリカの日々』が原作となっている、
メリル・ストリープとロバート・レッドフォードの共演映画。
主人公が、アフリカから出ていくときに、
空っぽになった部屋のなかで、
蓄音器のハンドルを回し、思い出の曲をかけて追憶にひたるような、
とても、せつない美しいシーンだったと思う。
私はこのころ、電気がなくてもOKの動力が好きだった。
今のキャンドルナイトは関心無いけど、
水車の動力で国産無農薬紅茶をつくる水車村会議の終身会員にもなったりと、
当時注目されていたAT(オルターナティヴ・テクノロジーもうひとつの技術)
に関心があった。
骨董の競りに行くきっかけのひとつに、蓄音器を仕入れたかった、
という動機もある。
謄写版印刷機や、幻灯機、そして蓄音器を
いくつも買っては売った。
今は、機械ものや家具などを扱うのは、力尽きた・・・。
重たいのはダメ・・・。蓄音器で聴くSPレコードが、
数多くなると、とても重たい。
ところが、縁あって、また1台の蓄音器Victrolaがウェンズディにきた。
お客様の誰にでも喜ばれる曲は、
何だと思いますか?
それは、
江利チエミの「テネシーワルツ」。
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